孤独になる日

お正月休みはジブリウィークにしよう、と思って、
宮崎駿さんの本やDVDを見ている。

 

一番最初に見たのが、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル 宮崎 駿の仕事」。「崖の上のポニョ」の制作~公開の時期、宮崎駿さんにNHKのカメラが密着したドキュメンタリーだ。

 

「一番人間が孤独でいるときに声をかける必用は全然ないんだよ」

 

宮崎さんが映画作りに向けて自分を追い込んでいた時期、カメラに向かって言った一言。
”創作において孤独は必用ですか?”というカメラマンの質問にも、

 

「映画はそういう時間につくるんだよ」

 

とだけ言った。
それがすごく、私の胸に響いた。

 

「人によって違うだろう」と宮崎さんは言うけれども、
孤独になる時間の必要性を、教えてもらった気がした。

 

 

私の数少ない趣味の1つが海外旅行で、だいたい年に一度はバックパックを背負って旅に出る。行き先はアジア・アフリカ・ヨーロッパ。アメリカとオセアニアにはまだ興味がなく、北極と南極にバックパックで行く勇気はまだない。

 

昨年はロシア・イスラエル・ホンジュラスと贅沢にも3回海外に行ったけれども、いずれも1人旅ではなく、パック旅行か、現地の人に常に案内してもらった旅だった。
どれも刺激的で思い出に残る素晴らしい旅だったけれども、どこか物足りない自分がいて、その理由を探してた。

 

その答えに、出会った気がした。

 

 

私は旅の中で、孤独になる瞬間を探していた。
それは1人でどこかに出かけたいとか、誰とも話したくないとか、そんなことではなく、

 

ただ、自分と向き合う時間。

 

言葉もなく、音楽もなく、思考もなく、
自分の呼吸と、心臓の音と、
木々や波や星の音を聞きながら、

 

ただ、世界と見つめ合う時間。

 

 

そんなものが、
生きていく上ではときどき、必要なんだと思う。

 

自分という曖昧な存在を、確かにそこに存在させるために。

2013、リスタート。

2013年、喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただいておりますが、

みなさま本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

思えば2012年は、ほとんど文章も書かず、仕事もしない1年でした。

こんなんでいいのかなーと思いつつ、日々のよしなしごとに身を紛らわしておりましたが、

縁あってお誘いいただいた冬コミの「久谷女子便り第五号」に寄稿させていただいて、「やっぱり文章を書くのってすごい楽しいな-」と改めて思ったり。

その後、久谷女子のみなさんから「ながいたんの文章がまた読みたい」と言っていただけたり。

年末にDVDで見た「プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル 宮崎 駿の仕事」で、宮崎さんのクリエイターとしての生き方にすごく刺激を受けたり。

 

そんなこんなで、2013年はもういちどちゃんと、“ものかき”として生きていこうかなと決意した次第です。

 

 

4gamer連載『会社経営はクソゲー過ぎる!――ユビキタスエンターテインメントの清水亮氏がゲストの「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」第9回』でドワンゴの川上会長が「ずっと××をしていたいだとか,そういう価値観を持てる人っていうのは幸せ」と言っていましたが、

私の場合は、ものさえ書いていれば幸せだから。

 

逆に言えば、そこから離れたら、幸せではないから。

 

 

そんなことを、ようやく改めて確信するに至ったから。

 

 

 

より良いものを書けるように、自分に素直になる。

そして素直な自分を、他人にぶつけることを恐れない。

世の中にアピールすることを、怖がらない。

 

そんな自分になっていきたいな、と思います。

 

 

 

何か面白いものかき系の企画がありましたら、ぜひお誘い下さい。

2013年も、あらためてどうぞよろしくお願い致します。