孤独になる日

お正月休みはジブリウィークにしよう、と思って、
宮崎駿さんの本やDVDを見ている。

 

一番最初に見たのが、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル 宮崎 駿の仕事」。「崖の上のポニョ」の制作~公開の時期、宮崎駿さんにNHKのカメラが密着したドキュメンタリーだ。

 

「一番人間が孤独でいるときに声をかける必用は全然ないんだよ」

 

宮崎さんが映画作りに向けて自分を追い込んでいた時期、カメラに向かって言った一言。
”創作において孤独は必用ですか?”というカメラマンの質問にも、

 

「映画はそういう時間につくるんだよ」

 

とだけ言った。
それがすごく、私の胸に響いた。

 

「人によって違うだろう」と宮崎さんは言うけれども、
孤独になる時間の必要性を、教えてもらった気がした。

 

 

私の数少ない趣味の1つが海外旅行で、だいたい年に一度はバックパックを背負って旅に出る。行き先はアジア・アフリカ・ヨーロッパ。アメリカとオセアニアにはまだ興味がなく、北極と南極にバックパックで行く勇気はまだない。

 

昨年はロシア・イスラエル・ホンジュラスと贅沢にも3回海外に行ったけれども、いずれも1人旅ではなく、パック旅行か、現地の人に常に案内してもらった旅だった。
どれも刺激的で思い出に残る素晴らしい旅だったけれども、どこか物足りない自分がいて、その理由を探してた。

 

その答えに、出会った気がした。

 

 

私は旅の中で、孤独になる瞬間を探していた。
それは1人でどこかに出かけたいとか、誰とも話したくないとか、そんなことではなく、

 

ただ、自分と向き合う時間。

 

言葉もなく、音楽もなく、思考もなく、
自分の呼吸と、心臓の音と、
木々や波や星の音を聞きながら、

 

ただ、世界と見つめ合う時間。

 

 

そんなものが、
生きていく上ではときどき、必要なんだと思う。

 

自分という曖昧な存在を、確かにそこに存在させるために。